Lost Ballparksというカテゴリーも作ってみました。MLBの球場巡りも楽しいのですが、跡地も含めて古い球場巡りも好きなのです。城跡とか古戦場とかを回るのが好きな人と同じ感覚ですかねえ。
まずはフォーブスフィールド(Forbes Field )から。
【利用期間】 1909年開場 ~ 1970年閉場
【歴史】 パイレーツのオーナー バーニー・ドレフュス(Barney Dreyfuss)がピッツバーグ郊外に土地を購入して建設。ダウンタウンからトロリーに乗って10分かかるため、当初「ドレフュスの愚行(Dreyfuss's Folly)」とも呼ばれたが、周辺の開発とともにやがて蔑称は消えた。鉄骨3階建てのスタジアムは、観客用エレベーター、審判控室、パイレーツと同水準のビジターチームクラブハウスなどの設備を野球場として初めて取り入れた最新鋭のスタジアムだった。また、現在MLBの試合で使われている、雨が降った時に内野を覆う防水シートも初めて使われた。
【名前】 ドレフュスの名前をつけるべきという声がある中、ドレフュスはフレンチ・インディアン戦争で活躍したジョン・フォーブス(John Forbes)の名をつけた。ドレフュス死後の1935年、あらためてドレフュスの名をつけるべきという声も上がったが、ドレフュスの妻フローレンスは名前の変更を拒んだ。
【トピックス】
・ベーブ・ルースの最後のホームランは1935年5月25日にフォーブスフィールドで撃たれている。1試合3本塁打、即ち通算712、713、714号。
・投手有利の球場と呼ばれたが4700試合以上行われたにもかかわらず、ノーヒット・ノーランは一度も記録されていない。
・1960年10月13日、ワールドシリーズ第7戦9-9で迎えた9回の裏にビル・マゼロスキー(William Mazeroski )が劇的なサヨナラホームランを放ちパイレーツが優勝。今日に至るまで、ワールドシリーズ第7戦のサヨナラホームランはこの一本のみ。
1958年にはピッツバーグ大学が買い取り、閉場までパイレーツにリースする形になりました。今も、ピッツバーグ大学のビジネススクール構内には最終戦で使われたホームベースが廊下に埋め込み保存されている他、外野フェンス、エントランスのレプリカが残されています。
私が大学構内のホームプレートを見に行った時は、ちょうど現役の学生がMBA志望者向けに案内をしているところでした。何組かに分かれてツアーを行っていましたが、ある案内の女学生はカブスファンらしく、「PNCパークは安いから見に行くといいわよ」「これはフォーブスフィールド最終戦のホームベース。その試合、カブスは負けてしまったのよね」「でも、パイレーツはカブスより弱くて20年連続負越し中なのよ」とかカブス愛あふれる解説を加えてました。アジア系の志望者が多く、まったく受けてませんでしたが、海外MBAとか頑張ってトライすればよかったなあとか思ってしまいました。