アメリカ野球紀行

MLBのボールパーク、歴史を中心に紹介していきます。

ウィリー・スタージェル(Willie Stargell)像

PNC Park 三塁側入り口に置かれているウィリー・スタージェル(Willie Stargell)像です。PNC Parkはホーナス・ワグナーロベルト・クレメンテ、ビル・マゼロスキー、ウィリー・スタージェルと過去の名選手をあたかも青龍・朱雀・白虎・玄武のような感じで配置しているのです。

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1962年~1982年までPirates一筋に活躍しました。通算475本塁打は今も球団記録。ホームラン王2回。1979年にはシーズンMVPを獲得。さらには、ナショナルリーグリーグチャンピオンシップでもMVP、Oriolesを下したWorld SeriesでもMVPを獲得しています。また、飛距離の長いホームランを打つことでも有名で、一時期ナショナルリーグの半分近くの球場で最長飛距離の本塁打記録を持っていました。ドジャースタジアムで二度(1969年8月5日、1973年5月8日)の場外ホームランを打った打者は今もスタージェルだけです。

また、スタージェルは優れたチームリーダーでもありました。1978年のPiratesは首位Philliesに最大11.5ゲーム差をつけらるなど苦しんでいました。そんな中、スタージェルはスタージェルスターと呼ぶ小さな星のマークを活躍した選手に与え、帽子につけるようにしました。何の価値もない小さな星です。単にチームリーダーのスタージェルから頑張ったなと認められたにすぎません。ところが、スタージェルスターを配るようになってからチーム状態も盛り返し、Piratesはシーズン最後のPhillies4連戦を前に3.5ゲーム差にまで迫ったのです。Piratesは2連勝し、1.5ゲーム差。残り2試合を連勝すれば大逆転優勝。続く試合も試合1回を終わり4-1とリードしましたが、逆転負け。あと一歩のところで優勝を逃しました。しかし、この悔しさが翌年のWorld Series優勝につながっていくのです。

スタージェルスターの写真を見てください。当時のPiratesはクラシカルなピルボックスキャップ(頂点が平らな帽子)だったのですが、これに星をちりばめるとなんとも素敵ではないですか。

https://www.engadget.com/2013-05-16-the-guild-counsel-how-stargell-stars-can-help-your-guild.html

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またスタージェルは、2012年にはテッド・ウイリアムズ、ジョー・ディマジオラリー・ドビーとともに記念切手にもなっています。2012年以降、アメリカで野球選手の郵便切手は発行されていないことも合わせて考えると、いかにファンから愛された選手かということも分かりますね。

https://about.usps.com/news/national-releases/2012/pr12_085.htm

 

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