テキサスで観光らしいこととしては、ミッキー・マントルのお墓参りとこの博物館に行くことぐらいしかしていません。球場から見て西側のFort Worthに行けば、テキサス・カウボーイの雰囲気を味わえる場所もありますが、東側のDallasはそういうものもないのです。(というか真面目に調べてもいないのですが。。)
さてこちらは、The Sixth Floor Museumです。直訳すると6階博物館。もう少し違う名前でよかったのではないかと思いますが、1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺現場であった教科書倉庫ビルが博物館として保管されています。
3月にNHKで未解決事件として振り返られていましたね。トランプ大統領が文書開示を拒んだため、未だに明かされていないことが多い謎の事件です。私が小学生の頃には謎の事件として振り返る番組も時々放送されていたので、生まれる前の話とはいえ、何か事件の生々しい衝撃の残り香のようなものは分かる気がしています。
午前中に行きましたが、行列ができていました。今でもアメリカの方も高い関心を持っているのですね。「6階」というのは、暗殺犯とされているオズワルドが教科書倉庫ビルの6階から大統領を狙撃したために、博物館の名前になっています。
下の写真のように完全に事件当時の様子が再現されています。アメリカの歴史を残す執念と生真面目さに触れる度に感心してしまいます。
再現アニメもモニターで見ることができます。窓から見てみましたが、素人のオズワルトが、コーナーを曲がり遠ざかる大統領車に二度も正確に狙撃するのは難しかったのではないかなと思いました。
狙撃現場には今も✖印がつけられています。マンホールの蓋みたいにってしまうかもしれないけど、プレートか何かを埋めて弔う形でもいいような気がします。ちょっと生々しいですね。
大統領選挙も含めて、当時の世相が分かる展示も充実していました。
ケネディファミリーはアメリカ唯一の王族のような存在だったことも伝わってきます。
アメリカ歴史上唯一の王女と言っても過言ではないのでしょう。後に駐日大使になるキャロライン・ケネディ。
ロシアの文字が刻まれたオズワルドの婚約指輪
これが一番アメリカらしいなと思ったマニアックな展示。オズワルドが射殺された時に地元警察の刑事が着ていたスーツです。手錠の位置まで正確に再現。事件の本質とも関係ないのに、これを譲り受けて展示する発想には驚きます。オズワルトが「いてっ」という感じの表情でなんとも切ない。
1階はチケット売り場と土産物屋でした。こんな事件なのに土産物売られています。ゴルフボール(ナイキ!)とかケネディが乗っていた自動車のミニカー(本物はデトロイトのフォード博物館に飾られています)とか、遺体をワシントンDCに運んだ飛行機のおもちゃとか、買いたい人いるのかなあ。
お土産としてはどうかなと思うものも売られてはいますが、事件を風化させないという意味では、重要な博物館だと思いました。